死に損ねたので生きます。
運ばれた先で懐かしい人に会いました。
「もう二度と、こうやって会話することはないと思っていました。」
「それは少し寂しいですね。」
と困ったように笑うのがおかしかった。
死に損ねたので生きます。
運ばれた先で懐かしい人に会いました。
「もう二度と、こうやって会話することはないと思っていました。」
「それは少し寂しいですね。」
と困ったように笑うのがおかしかった。
荷物はだいぶ片付いたと思う。1月2日以降にでもくたばれたらいいなと思っている。契約更新してくれた会社には申し訳ないけど思ったより人間の形を保つのが辛くなってきた。もう少し自分を諦められたら良かったのかもしれない。死に損なってからの長すぎる余生に精神が耐えられそうにない。理由もなく泣き続ける毎日は疲れる。なにもできない。もう潮時なんじゃないかな。自分がこの歳まで生きているだなんて思わなかった。この6年間人間になれるように頑張った。でも駄目だった。たぶん頑張りが足りなかった。これ以上頑張れない。呼吸のたびに肺が痛い。寒さが身体を突き刺す。報われなくても良いから、なんて言えない。愛されたいだなんて思えなかった。他人の期待に応えられない。他人を不快にしてばかり。この世で幸せになる必要が分からなかった。報われたい、救われたい、でも駄目だった。大丈夫になりたかったのにぜんぶ、ぜんぶ駄目だった。
前の会社の人に送別会してもらう。
2週間くらい前。
直属の上司がとても心配していたらしい。
だからと言って辞めた理由を伝えられるわけではないけれど。
ご自身も家庭の事で大変なのに、もう辞めた人間の事なんて考えなくて大丈夫だよ。
私の行動が他人の人生に影響が出た事でとても落ち込んでいる。早く私の事は忘れて。
「どうして恋人つくらないの?」
「私が他人にしてあげられる事など無いので」
「考えすぎじゃない?普通そこまで考えないよ」
「アァ〜😇」
度重なるODのせいで致死量ではない服薬で亡くなられた方がいる。
社会人になって、社会へ溶け込むために私はODを辞めた。今その事を悔やんでいる。
どうして、あの人だったのか。
どうして、私ではなかったのか。
あの人は、生きたいと言っていた。
わたしは、消えたいと願っている。
スーパーで知り合いを見掛けた。隣にいる方と笑いながら買い物をしていた。
私には得られなかったもの。
自分が受け取れなかった色々について、もう辛くなることは無いな、と思っていたけど、そんな事なかった。
くたばり損なったまま、6年も惰性で過ごしてきてしまった。先がない、消えたいと願うばかり。腕の傷が増えるばかり。